技能試験の道具をそろえていると、途中でこれが気になります。

「これ、試験に持って行っていいのか」

合格クリップ、合格ゲージ、マルチツール。便利そうなものほど、ふと不安になります。買ったのに使えなかったら、お金も時間ももったいない。

この答えは、試験センターが出している資料に書かれていました。

工具は、電動でなければ使えます

まず、大もとのルールです。

電動工具    → 使えない
それ以外の工具 → 使える
改造した工具  → 使えない
自作した工具  → 使えない

市販の工具を、そのまま買って使う分には問題ありません。「あの便利工具は反則ではないか」という心配は、基本的には要りません。

便利工具のひとつ、合格マルチツールDK-200については使用工具が減る!合格マルチツールDK-200で出来ること、出来ないことに、合格ゲージP-925は持ち込み可!P-925合格ゲージ左利き用も。2cmが合格を左右する理由とはにまとめています。

クリップは使えます。ただし、外し忘れると台無しです

合格クリップのような、電線を一時的に束ねるものについては、こう書かれています。

電線を一時的に束ねるためのクリップ等については使用可能ですが,試験終了までには,必ず取り外してください。

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「技能試験の概要と注意すべきポイント」

使えます。禁止ではありません。

ただし、付けたまま提出すると、作品に余計なものが付いている状態になります。「必ず取り外してください」と書かれているのは、そういうことです。

ここがいちばん怖いところだと思います。便利に使っていたものが、最後の1手で作品を壊しにきます。時間ギリギリで焦っているときほど、外し忘れます。

気をつけるのは「工具に手を加えたかどうか」です

迷いやすいのが、ここです。試験センターの回答には、工具に目盛を書き込むこと、持ち手を延ばすことが「改造」の例として挙げられています。そして改造した工具は、程度に関わらず使えないとされています。

つまり、線が引かれているのは「工具そのものに手を加えたか」です。

わたしはストリッパーに合格ゲージを付けて使いましたが、工具そのものには何も書いていません。ペンで目盛を書き足したこともありません。

その合格ゲージが何をするものかは、持ち込み可!P-925合格ゲージ左利き用も。2cmが合格を左右する理由とはに書きました。左手用があることも、そちらで触れています。

ここは各自で判断する場所ではなく、受験する回の受験案内書と、試験センターの案内で確認してください年度によって扱いが変わることもあります。

意外と知られていない、机まわりの決まり

同じ資料に、机まわりのことも書かれていました。知らずに持って行くと困るものがあります。

工具箱・工具袋を机に置く … 置ける
リングスリーブを入れる小箱 … 使えない
ケーブルにペンで印をつける … 問題なし
机にスケールを直接貼る   … 保護板(厚紙)のほうに貼る
作業姿勢          … 座って行う(立ち続けると失格)

小箱が使えないのは、意外だと思います。細かい部品をまとめておきたくなりますが、材料の持ち込みを疑われないため、という理由が挙げられています。支給される材料箱を使ってください、とされています。

逆に、ケーブルにペンで印をつけるのは問題ないとされています。

わたしもマジックで、その場で書き込んでいました。事前に印をつけておくのではなく、作業しながら書きます。

ここが、さきほどの「改造」との違いです。書く相手が、工具ではなくケーブル(支給された材料)だからです。

わたしは、合格クリップを使いませんでした

使えるかどうかの話とは別に、わたし自身は本番で合格クリップを使っていません。買って、試したうえでの話です。

理由は単純で、締め付けが、わたしにはもの足りなかったからです。製品が悪いという話ではありません。手の力や作業の癖で、合う合わないが出るところだと思います。

代わりに使ったのがインシュロック(結束バンド)でした。ひとつだけ、選び方にコツがあります。

細くて小さいもの … 束ねる力が足りない
150〜200mm くらい … しっかり留まる

小さいほうが扱いやすそうに見えますが、細いものは締まりが弱く、束ねた電線が動きます。少し大きめのほうが確実でした。

もちろん、これも試験終了までに必ず外します。クリップと同じ扱いです。

なぜ仮留めをしていたのか、そのときの話はプロ講師の動画にもなかった?!技能試験の小さくて大きな工夫に書いています。

まとめ

  • 電動でなければ、工具は使える。市販品をそのまま買う分には心配は要らない
  • 改造・自作した工具は使えない。線は「工具そのものに手を加えたか」
  • クリップ類は使える。ただし試験終了までに必ず外す
  • 小箱は使えない。工具箱・工具袋は机に置ける
  • ケーブルにペンで印をつけるのは問題なし
  • わたしは合格クリップではなく、150〜200mmのインシュロックにした

道具で迷う時間は、練習の時間ではありません。先に線を引いてしまって、あとは手を動かすほうに使いたいところです。

そろえた道具そのものについては、電気工事士技能試験で「あってよかった」工具とグッズにまとめています。複線図を書くペンの話は複線図の白い線は、水色で塗ります|使ったペンは3本ですのほうです。

※ 引用・要約した内容は、一般財団法人 電気技術者試験センターが公開している「技能試験の概要と注意すべきポイント」および同センターの「よくあるご質問」(2026年8月時点)によるものです。扱いは年度によって変わることがあります。受験される回の受験案内書で、必ずご確認ください。