◎ 刻印を間違えたら、やり直します。上から押し直すことはできません

◎ やり直せるのは、切っても寸法が半分を下回らないから

◎ 刻印ミスの原因は「複線図のミス」か「施工中の勘違い」の2つ

◎ 複線図が正確であれば、正確な結線ができる


リングスリーブの刻印を間違えると、一発で欠陥になります。

わたしは本番で、結線するべき芯線を取り違えるというミスをしました。気づいたときには焦りまくりで、頭が真っ白になりかけました。それでもなんとかリカバーして合格できたのですが、あの瞬間の焦りは今でも覚えています。

この記事では、刻印ミスが起きる原因と、それを防ぐための考え方を書きます。


刻印ミスは即アウト

まず大前提として確認しておきます。

リングスリーブ圧着時のマーク(刻印)を間違えてしまうと欠陥となります。圧着の仕上がりがきれいでも、刻印が違えばその時点でアウトです。

技能講習会で多くの方が経験した欠陥のワースト1位が、リングスリーブの圧着マークの間違いです。

特に間違いやすいのが、太さ2mmと1.6mmの2本圧着の刻印で、正解は「小」なのに「〇」で刻印してしまうパターン。

これ、わかっていても間違えるんですよね。

「1.6mm×2本は〇」という知識があっても、施工中に混乱して別の組み合わせと勘違いしてしまうことがある。実際にわたしもそういう状況に近いミスをしました。

ふだんは大丈夫なんです。
試験となると失敗する。まさにわたしのことです。ふだんから複線図を見直しながら結線するクセを付けていた。

いやいや。。その前に気が付けよって話ですが、それでも気が付いたのは普段の練習が成果として出てくれたからです。

試験で舞い上がってミスしていましたが、気が付いたのが8分前くらい。

そこから切ってつなぎ直して、残りの接続を終えて簡易ですが欠陥チェックをしたのが終了1分前でした。

体感的には、ほぼ同時に「止めてください」の合図です。ぎりぎりでしたが、なんとかリカバーできました。

即アウトになるのは刻印だけではありません。ランプレセプタクルの巻き付け方向も同じです。こちらはランプレセプタクルは右巻き一択に書きました。


刻印ミスが起きる原因は2つ

刻印を間違える理由は、大きく分けて2つあります。

1つ目は複線図のミスです。

複線図を間違えると、そのまま間違った結線をすることになります。間違った複線図を書いてしまうと、そのまま間違ったものを作ってしまうことになります。

複線図でのミスは取り返しがつきません。施工を始めてから複線図の間違いに気づいても、そこから修正するのは時間的に厳しくなります。だから複線図は何度も練習して、絶対に間違えない状態にしておくしかないです。

2つ目は施工中の勘違いです。

これがわたしが本番で経験したミスです。

複線図は正しく書けていたのに、施工中に芯線を取り違えてしまいました。気が付いたときには本当に焦った。「マジかーー汗 どうしよう。。」という状態でした。

幸い、気づいた時点でやり直しができる余裕がまだあって、リカバーできました。でもこれがもう少し遅かったら、間に合わなかったかもしれない。

焦りがあると、こういうミスが起きます。

手を動かしながら頭が別のことを考えていたり、確認を急いでしまったり。施工中の勘違いは、誰でも起こりうるミスなんですよね。


複線図こそがすべての土台

結局、正確な複線図があるから正確な結線ができる。

わたしはこの考えにたどり着いてから、迷いがなくなりました。複線図を丁寧に書いて、一つひとつ確認しながら施工する。それだけで刻印ミスのリスクは大幅に減ります。

複線図が正しく書けなければ技能試験はアウトということになります。という言葉がありますが、本当にその通りです。

時間がかかっても構いません。40分という制限の中で、複線図に時間をかけることを惜しまない。それが結果的に一番早くなります。焦らなくて済むし、ミスが減るからです。


複線図を書かない天才のまねをしてはいけない

たまにいるんですよ。複線図を書かなくてもできてしまう人が。

頭の中で回路が見えているのか、感覚でわかるのか。そういう人は本当にいます。

でもそういう人のまねをしてはいけないです。

そういう人は努力なのか感覚なのかわかりませんが、人よりセンスがあります。同じことをやって同じ結果が出るのは、同じセンスがある人だけです。

わたしは不器用だし、センスがある側の人間ではない。だからこそ複線図を書くことにこだわりました。時間をいっぱいまで使って、正確な複線図→正確な結線という順番を守る。それが結果的に一番安定した方法だとわかりました。


刻印の組み合わせを確実に覚える方法

刻印パターンは多くないので、全部頭に入れてしまうのが一番です。

第二種の試験で出てくる主なパターンはこうなります。

  • 1.6mm × 2本 → 小スリーブ・刻印「○」
  • 2.0mm × 2本 → 小スリーブ・刻印「小」
  • 1.6mm × 3〜4本 → 小スリーブ・刻印「小」
  • 1.6 × 5〜6本 = 5〜6点 = 中
  • 2.0 × 2本 + 1.6 × 1本 = 5点 = 中
  • 2.0mm × 1本 + 1.6mm × 1〜2本 → 小スリーブ・刻印「小」
  • 2.0mm × 3本、または2.0mm × 1本 + 1.6mm × 3〜4本 → 中スリーブ・刻印「中」

まず覚えてほしいのは、1.6mm2本のみ小スリーブの○刻印ということです。握力のある方は、1.6mm4本も○刻印できますが、間違いです。潰しすぎです。

これが最も間違えやすいパターンです。

1.6mm×2本は「〇」なのに、同じ「小スリーブ」を使う他の組み合わせと混同して「小」で刻印してしまう。わかっているはずなのに、本番でやってしまう人が多いです。

施工前に複線図を見ながら「この接続箇所の刻印は〇、この箇所は小」と声に出して確認する習慣をつけておくと、ミスが減ります。

覚えるのが苦手な方は、表を使わずに出す方法もあります。リングスリーブの刻印を足し算で出す方法に書きました。


間違えたら、やり直します

刻印を間違えたことに気づいたら、やり直します。

このとき、上から押し直すことはできません。 一度圧着したものは、切って、被覆を剥き直して、もう一度圧着します。

手間はかかります。でも、押し直しでごまかしたものは、そのまま欠陥として残ります。

やり直せる理由

切ってつなぎ直すと、ケーブルは短くなります。それでも、やり直せます。

寸法に幅があるからです。

2-2. 寸法(器具にあっては中心からの寸法)が,配線図に示された寸法の50%以下のもの

技能試験の概要と注意すべきポイント(電気技術者試験センター)

欠陥になるのは、指定された寸法の半分を下回ったときです。少し短くなったくらいでは、そこには届きません。

だから、切り直す余地があります。ただし、何度でも切れるわけではありません。 切るたびに短くなるので、半分に近づいていないかは自分で見てください。

やり直したあとが、圧着しづらい

もうひとつ、わたしがやってみて分かったことがあります。

切ってつなぎ直したとき、わたしは芯線の長さをきれいに揃えられませんでした。 ばらついたまま束ねて押さえて圧着しようとして、ここで手間取りました。

わたしは結束バンドを使いました。

まとめて縛ってしまえば動かないので、押さえる力が要らなくなります。そのぶん、わたしは圧着そのものに集中できました。

わたしは、クリップ類をひととおり試しました

結束バンドにたどり着くまでに、押さえる道具はひととおり試しています。

合格クリップも持っています。 技能の練習で1回使って、それきりになりました。わたしの手つきでは、結束力が足りず、押さえきれませんでした。

そのあと、タブクリップや文具のクリップも試しました。 どれも同じでした。はさむ力では、ばらついた芯線をわたしはまとめきれませんでした。

最後に残ったのが結束バンドです。はさむのではなく、縛るからだと思っています。

合う人には合う道具もあると思います。ただ、わたしの手つきでは、結束バンドがいちばん確実でした。

なお、技能試験では電動工具は使えません。 充電式のものも、電動機能を切って使う場合も含めて使えないことになっています。

リングスリーブは、足りなくなったら申し出る

リングスリーブが足りなくなった場合は、追加支給を受けることができます。 手を挙げて試験官に申し出ればいいだけで、それで不合格にはなりません。焦らず申し出てください。

わたしがやったのも、これです

本番で、結線する芯線を取り違えました。気づいたのが、終了8分前です。

そこから切って、剥き直して、つなぎ直して、残りの接続を終えて、簡単に欠陥チェックをしたのが終了1分前でした。体感では、ほぼ同時に「やめてください」の合図です。

間に合ったのは、手が速かったからではありません。複線図に戻れたからです。 ミスに気づいたとき、「複線図が正しければ、それに従えばいい」と判断できました。

そもそも、やり直しが要る場面を減らすほうが先です。何をその場で確認して、何を最後に回すかは、技能試験の見直しで確認する場所の決め方に分けて書きました。


本番で焦らないための準備

施工中に勘違いが起きるのは、焦りが原因であることが多いです。

焦りを減らすには、練習を積んで「この手順で進めれば大丈夫」という確信を持てる状態にしておくことです。

複線図を何十回も書いて、体が覚えている状態にしておく。施工手順を決めておいて、毎回同じ順番で作業する。慣れたルーティンがあると、本番でも落ち着いて動けます。

わたしは本番で芯線を取り違えるミスをしましたが、それでもリカバーできたのは、複線図に戻る習慣があったからです。「複線図が正しければ、それに従えばいい」という考えが、焦りの中でも判断基準になりました。


まとめ

  • 刻印ミスは即欠陥。組み合わせは覚えるか、足し算で出すか、どちらでもいい
  • 刻印ミスの原因は「複線図のミス」か「施工中の勘違い」の2つ
  • 間違えたら、切って剥き直して圧着し直す。上から押し直すことはできない
  • 複線図が正確であれば、正確な結線ができる
  • 複線図を書かない天才のまねはしない
  • 時間をかけてでも複線図→結線の順番を守ることが最速の近道
  • ミスに気づいたら複線図に戻る。それが判断の拠り所になる

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