◎ 第二種電気工事士は「◎と小中」のミニサイズで十分
◎ 最初に一度「カチッ」で仮押さえ。その状態で芯線を通す
◎ 最後の圧着は両手でグリップの末端を握る
圧着工具って、最初に手に取ったとき「これ、握れるのか」と思いませんでしたか。
わたしは思いました。ずっしり重いし、グリップが固いし、力の入れ方がよくわからない。練習を始めたばかりのころは、圧着のたびに全力で握っていて、それでもうまくいかないことがありました。
この記事では、わたしが実際に試して効果があった握り方のコツと、工具選びの考え方を書きます。
まず工具選びの話から
圧着工具には2種類あることを知っていますか。
「◎・小・中・大」まで対応しているものと、「◎・小・中」までのミニサイズのものです。
第二種電気工事士の技能試験では、大の刻印を使用する公表問題がないので、ミニサイズが推奨です。つまり、大きい方を買う必要はまったくないんですよね。
時間制限がある電気工事士の試験では、小さくて軽く扱いやすい工具は作業時間を短縮できます。それに試験会場の机は広くないので、コンパクトな工具の方が使いやすいです。
手が小さい人や、握力に自信がない人には特にミニサイズをおすすめします。
女性というか指が短い人だと、普通サイズの圧着工具は片手で扱うこと自体が結構きついと思います。という声もあって、わたしもこの意見には同感です。
工具を選ぶときは、最初からミニサイズを選ぶ。これだけで作業のしやすさがかなり変わります。
「カチッ」で仮押さえするのがポイント
これはわたしが練習を重ねる中で気づいたことです。
圧着工具を最初に一度だけ軽く握ると、「カチッ」という感触があります。この状態がリングスリーブをちょうど挟める仮押さえの位置です。
それ以上握ってしまうと、リングスリーブが入らなくなります。「カチッ」で止めておくのがポイントです。
ハンドルを開いたときに柄幅が狭いため、端子の仮押さえがしやすいという工具の特徴を活かす使い方で、仮押さえの状態で芯線をリングスリーブに通すと、位置がズレにくくなります。
手順はこうです。
- 圧着工具を一度「カチッ」まで軽く握って仮押さえの状態にする
- その状態でリングスリーブを工具にセットする
- 芯線をリングスリーブに通す
- 位置を確認してから、両手でしっかり握りきる
この順番を守るだけで、芯線のズレが格段に減ります。
両手で末端を握ると別物になる
これが一番大事なコツです。
圧着工具のグリップを握る位置は、できるだけ末端(先端側)を握ってください。
てこの原理で、末端に近いほど圧着部分に力が伝わりやすくなります。同じ力を入れても、握る位置によって圧着の強さがまったく変わってくるんですよね。
握力が弱い人は柄が長い方が力が入りやすいという声がありますが、同じ工具でも握る位置を変えるだけで同じ効果が得られます。
そして必ず両手で握ります。
片手でケーブルをまとめながらもう片方で圧着、というやり方は熟練の電気工事士のやり方です。我々がそれを目指す必要はありません。最後の握りきるところだけ、両手が理想です。という声もあって、わたしもまったく同じ考えです。
片手でケーブルをまとめる作業は、インシュロックで固定すれば代用できます。固定してしまえば、両手を使って圧着に集中できます。
ラチェット機構を味方につける
圧着工具にはラチェット機構がついています。
ラチェット機構のため途中で手を離しても持ち手が戻ることがなく、少しずつ力を入れてかしめていくことができます。
つまり、一気に握りきらなくていいんです。少しずつ力を加えていって、最終的に握りきればいい。これを知ってから、圧着がぐっと楽になりました。
焦って一気に握ろうとすると、力がうまく入らなかったり、位置がズレたりします。ゆっくり、段階的に握っていく。これが正しい使い方です。
中スリーブは特に力がいる
リングスリーブの中サイズは、圧着に必要な力がかなり大きくなります。
中スリーブの圧着は結構力が必要で、両手で思いっきり握りきる感じです。握力の弱い方にはきついかもしれません。という声があります。
第二種の試験では中スリーブが出る頻度は多くないですが、出たときに対応できる準備はしておいた方がいいです。
座った状態で圧着できない場合は、立って体重をかける方法もあります。
試験会場で立つ場合は、事前に試験官に申し出れば問題ありません。試験センターに確認したところ、立って圧着することは構わないが、当日試験官にその旨を伝えるようにという回答だったという体験談もあります。
握りきったら確認を忘れずに
圧着が完了したら、必ず確認をします。
刻印がきちんと入っているか。絶縁被覆からの距離が適切か。一方向だけでなく、裏側からも確認します。
リングスリーブが絶縁被覆に食い込んでしまうと欠陥。反対に5mm以上離しても欠陥になります。
圧着工具にはラチェット機構があるので、握りきらないとロックが解除されず次の作業にいけないので、圧着不良は起こりにくい構造になっています。ただし、位置のズレや刻印の確認は自分でしっかりやる必要があります。
まとめ
- 第二種電気工事士には「◎と小中」のミニサイズで十分
- 最初に「カチッ」まで握って仮押さえ。その状態で芯線を通す
- 最後の圧着は両手でグリップの末端を握る
- ラチェット機構を活かして、一気にではなく段階的に握る
- 圧着後は刻印と位置を裏側からも確認する
→「リングスリーブの圧着コツ。握力に自信がなくても乗り切った方法」 →「リングスリーブの刻印を間違えた話。取り返しのつかないミスを防ぐ方法」 →「VVFストリッパーで芯線に傷をつけない2つの対策」
