複線図を覚えても、間違えることがあります。
覚えたことが間違っていたわけではありません。覚えていい部分と、毎回読まないといけない部分が分かれているからです。
令和8年度上期の公表問題13問を、施工条件ごと全部並べてみました。きれいに分かれていました。
13問ぜんぶ同じ → 覚えてしまっていい。3つだけ 問題ごとに変わる → 毎回読む。多くても4つ
この記事は、下の「毎回読む4つ」の話です。ここを覚えたつもりでいると、事故ります。
覚える側は、もう決まっています
13問すべての施工条件に、同じことが書かれていました。覚えるのは、この3つだけです。
① 電源からの接地側電線は、白 ② 電源からスイッチ・コンセントまでの非接地側電線は、黒 ③ 器具の「接地側」の端子には、白
赤は、覚えるものではありません。白と黒を引いたあとに残る色です。13問のうち、赤の色が指定されているのは1問だけでした。
覚える側の話は、この2本に書いています。複線図が覚えられないのは、覚える量が多すぎるからでしたと、複線図でやることはこれだけ|白と黒はもう決まっていますです。
この記事は、その先の話です。覚えたあとに残る、毎回読まなければいけないところを見ていきます。
問題ごとに変わるのは、この4つです
逆に、毎回変わるところです。ここを覚えてしまうと事故ります。
| 毎回読む | 何が変わるか |
|---|---|
| ① 接続の方法 | リングスリーブか、差込形コネクタか。A部分とB部分で入れ替わる |
| ② 接続の本数 | 「4本の接続箇所は」なのか「3本」なのか |
| ③ 埋込連用取付枠 | どの器具に使うか。問題ごとに違う |
| ④ 接地線と端子台 | 緑が出るか。端子台が何の代用か |
問題によっては、変わるのが2つだけのこともあります。多くても4つです。
いちばん事故るのは、①です
13問の施工条件を並べたところ、接続方法の指定は4パターンありました。
A=リングスリーブ / B=差込形コネクタ → No.1・2・3・7・13 A=差込形コネクタ / B=リングスリーブ → No.4・6・9・12 A/Bではなく「本数」で指定 → No.5・8・10 電源側の電線との接続箇所で指定 → No.11
同じ「A部分」なのに、問題によって中身が逆です。
とくにNo.1とNo.4は、AとBが完全に入れ替わっています。No.1から順に練習していると、そのままの手でNo.4に入り、逆の道具で圧着します。
わたしも練習で間違えました。本番では起きませんでしたが、練習ではやっています。
差込形コネクタなら差し直せます。リングスリーブは、圧着したら戻れません。切って、剥き直して、もう一度です。
②も同じ形の事故です。No.5とNo.8は「4本の接続箇所は差込形コネクタ」、No.10だけ「3本の接続箇所は差込形コネクタ」でした。数字が違います。
読むのは、圧着する直前です
ではいつ読むか。圧着する直前です。
複線図を書く前に読む → 書いているうちに忘れる 圧着する直前に読む → 取り返しがつかなくなる、その手前
読むのは接続方法の1行だけです。施工条件を頭から読み直す必要はありません。「A部分は」で始まる行を探して、そこだけ見ます。
手は止まりますが、数秒です。切って剥き直すのは、数秒では終わりません。
間違えるのは、知らないからではありません
ここまで読んで、「読めばいいだけなら、間違えないのでは」と思われたかもしれません。
わたしは本番で、圧着を間違えています。原因ははっきりしていて、「あと少しで終わる」と思ったときでした。
知らなかったわけではありません。終わりが見えると、確認が飛びます。気をつけよう、では防げないところです。
だから、気持ちではなく手順にします。「圧着する前に1行読む」を、作業の一部として組み込んでしまう。そこに判断を入れません。
そのときの話はリングスリーブの刻印ミス|やり直せるケースと、本番で間に合った話に書いています。
この読む時間は、5分の外側です
わたしは複線図を5分で書いています。その5分に、この読む時間は入っていません。圧着は、複線図を書き終わったあとの作業だからです。
複線図 5分 切断 3〜5分 組立〜結線 25分 ← 読むのはここ 余白 5〜7分
時間配分は壊れません。むしろ、切って剥き直す時間が消えるぶん、余白が残ります。
その5分の中身は複線図を5分で書く3つのルールに書いています。
まとめ
- 覚えるのは3つだけ。白は接地側、黒は電源からスイッチ・コンセントまで、赤は残り
- 毎回読むのは、多くても4つ。接続方法・本数・取付枠・接地線と端子台
- いちばん事故るのは接続方法。同じ「A部分」でも問題によって逆になる
- 読むのは圧着の直前。1行だけ。数秒で済む
- 間違えるのは、知らないからではない。終わりが見えると確認が飛ぶ。だから気持ちではなく手順にする
全部覚えようとすると、13問ぶんの形を丸暗記することになります。覚えるのは3つ、読むのは4つ。これなら、覚える量は問題数に関係ありません。
※ 引用した施工条件は、令和8年度上期 第二種電気工事士技能試験(2026年7月19日実施)の公表問題によるものです。内容は年度によって変わることがあります。受験される回の問題で、ご確認ください。
