複線図で止まるとき、たいていこの2つのどちらかです。
① どこから書けばいいのか、分からない ② 書いてはみたけれど、合っているか分からない
どちらも、「自分で決めなければいけない」と思っていると起きます。
ですが、複線図の色は、半分以上が最初から決まっています。決めているのは自分ではなく、試験センターです。
白と黒は、問題用紙に書いてあります
問題用紙の後半に「施工条件」という欄があります。そこに、こう書かれています。
①電源からの接地側電線には、すべて白色を使用する。
出典:令和8年度上期 第二種電気工事士技能試験(2026年7月19日実施)候補No.1 問題
②電源から点滅器までの非接地側電線には、すべて黒色を使用する。
令和8年度上期の13問を全部開きましたが、この2つは13問すべてに入っていました。問題が変わっても、ここは変わりません。
もうひとつ、白を入れる器具の端子も指定されます。
ランプレセプタクル … 受金ねじ部の端子 引掛シーリングローゼット … 接地側と書いてある端子 コンセント … W と書いてある端子
端子の呼び名が違うだけで、意味は全部同じです。どれも接地側。器具ごとに覚えなくてかまいません。
赤だけは、決まっていません
13問の施工条件を読んで、いちばん意外だったのはここです。
赤色の指定は、13問中1問しかありませんでした(No.4の200V回路だけ)。
残りの12問で、赤の行き先は指定されていません。解答例のほうにも、「電線の色別は問わない」と書かれている問題が6問あります。
つまり、赤は選ぶ色ではありません。白と黒を引いたあとに、残る色です。
だから、書く順番はひとつに決まります
① 白を書く … 決まっている。迷わない ② 黒を書く … 決まっている。迷わない ③ 赤を書く … 残ったところをつなぐだけ
「どこから書けばいいか分からない」の答えは、白からです。白は自分で決めるものではないので、考える場面がありません。
わたしが複線図を5分で書けるのは、③で考えなくて済むからです。手が速いわけではありません。考える場面が、最初から2か所しかないだけです。
合っているかは、解答例では分かりません
書けたあと、公式の解答例と見比べて、色が違って不安になることがあります。
ここで気をつけたいのは、解答例は「一例」だということです。公式が自分でそう書いています。
(注)上記は一例であり、スイッチの結線方法については、これ以外にも正解となる結線方法があります。
出典:令和8年度上期 第二種電気工事士技能試験(2026年7月19日実施)候補No.1 解答
13問のうち9問に、この注記がありました。合わせにいく相手ではありません。
見るのは施工条件のほうです。
白か黒が違っていた → 施工条件を見て、直す 赤が違っていた → 直さない。決まっていないので
その施工条件のうち、問題ごとに変わるのは4つでした。接続方法・接続の本数・埋込連用取付枠・接地線と端子台です。→ 複線図で毎回読むのは4行だけ|覚えるところは、もう決まっています
合っている図を、自分で消してしまうのがいちばんもったいないです。赤で悩んでいる時間は、悩まなくていい時間でした。
3路スイッチも同じです。解答例に「端子記号が1と3、3と1で入れ替わっていても正解です」と書かれています(候補No.6の解答より)。
ここから先は、順番と練習の話です
白・黒・赤の行き先が決まると、あとは毎回同じ順番で書くだけになります。その順番と、1枚を5分に収める練習のやり方は、複線図を5分で書く3つのルールに書いています。
色そのもので手が止まっていたころの話は、技能試験の複線図 思考停止の解決方法は「色」だったのほうです。
まとめ
- 白と黒は、問題用紙の施工条件で決まっている。13問すべてに入っていた
- 赤の指定は13問中1問だけ。赤は選ぶ色ではなく、残る色
- だから白から書く。迷う場面が最初から少ない
- 合っているかを見る相手は解答例ではなく施工条件。解答例は一例
※ 引用した施工条件・注記は、令和8年度上期 第二種電気工事士技能試験(2026年7月19日実施)の公表問題によるものです。内容は年度によって変わることがあります。受験される回の問題・解答で、ご確認ください。
