第二種電気工事士の学科試験は、いま CBT方式(パソコンで受ける)と筆記方式(マークシート)のどちらかを選べます。

結論から書きます。本気で受かるつもりなら、CBTで早めに受けて、技能の練習に入ったほうがいいと思っています。

理由は1つだけです。学科が終わった日から、技能の練習に集中できるからです。

そして、選べる期間そのものが、もうすぐ終わります。

※ 日程・制度は受験案内書が正です。申込の前に必ずご自身で確認してください。

令和9年度から、学科は原則CBTになります

電気技術者試験センターが、令和8年4月8日付でお知らせを出しています。第二種の学科試験は、こうなります。

令和8年度(今年)令和9年度以降
上期CBT ・ 筆記CBT
下期CBT ・ 筆記CBT

筆記方式が残るのは、この場合だけと書かれています。

※ 災害等で通信ネットワーク障害等などCBT 方式での試験が実施出来ない場合、必要に応じてPBT 方式で実施してまいります。

PBT方式というのが、いまの筆記方式のことです。つまり、通常の選択肢としては残りません。

言いかえると、今年度が、筆記方式を選べる最後の年ということになります。

CBTだと、技能の練習が1か月増えます

令和8年度・下期の日程で並べます。

2026/08/17〜09/03   申込
2026/09/24〜11/08 学科 CBT(この期間から自分で日を選ぶ)
2026/10/25 学科 筆記(日が固定)
2026/12/12〜13 技能試験

CBTは、期間の中から受ける日を自分で選べます。 筆記は1日に固定です。ここが効いてきます。

学科が終わった日から、技能試験までの時間を並べるとこうなります。

学科が終わる技能試験まで
CBTで9月下旬に受ける9月下旬約11週間
筆記で受ける10月25日約7週間

差は、およそ1か月です。

技能試験は、手が動くようになるまで繰り返すしかない試験です。その1か月は、机の上ではなく手に効きます。

※ 日程は年度ごとに変わります。上の日付は令和8年度・第二種のものです。第一種は日程が違います。

これは、試験センター自身が言っていることです

わたしの思いつきではありません。CBTへ移行する理由として、先ほどのお知らせにこう書かれています。

試験終了後に正答数が表示されるなど、その場で結果を把握することにより、技能試験へ向けて速やかに準備を開始できます。

「早く終わらせて、技能に入る」ことが、移行の理由として挙げられているわけです。

ほかにも、選べる会場と期間が広がること、解答漏れや二重解答を防ぐ機能があること、自分のタイミングで終了して退出できることが挙げられています。

学科は、合格ラインを超えればそれでいい

ここで、判断の材料になる制度が1つあります。

学科に受かると、技能は最大3回受けられます

試験センターの試験概要に、学科試験の免除対象としてこう書かれています。

前回又は前々回に第二種電気工事士学科試験に合格した方

免除は次の1回だけではありません。前回・前々回の2回分が対象です。

① 学科に受かった回の技能
② 次の回の技能(学科免除)
③ その次の回の技能(学科免除)

第二種は年2回あるので、学科に一度受かれば、しばらくは技能だけを受けられるという形になります。

※ 運用は年度によって変わることがあります。公式ページにも「受験案内書をご覧ください」と注記があります。必ずご自身で確認してください。

わたしは80点を取りました

学科は50問、1問2点、合格は60点です。30問取れば通ります。

わたしは40問正解で80点でした。

CBTで、複線図はどうなるか

ここからは、CBTを選ぶ前に知っておいたほうがいい話です。

先に書いておきます。わたしが受けたのは筆記方式です。CBTは受けていません。 なので当日の様子は書けません。以下は、公式に書かれている条件から分かることです。

使えるのは、黒ボールペン1本とA4のメモ用紙です

試験センターのよくあるご質問に、こう書かれています。

筆記用具会場で貸与する黒ボールペンとメモ用紙のみ。それ以外は使用できない
メモ用紙A4サイズ。足りなければ挙手すれば持ってきてもらえる
持ち帰りできない。持ち帰ると失格
筆記用具の返却返さないと失格。試験結果通知書も発送されない

ここから、3つのことが分かります。

  • 色が使えません。 黒1色です
  • 消せません。 ボールペンなので書き直しがききません
  • 単線図は画面にあります。 手元にはないので、見ながら別の紙に書くことになります

筆記方式では、問題用紙の余白に書き込めました。単線図のすぐ横に、鉛筆で、色を分けて。その3つが、まとめて無くなります。

ただし、複線図を書く問題は5〜6問でした

ここは落ち着いて見ておきたいところです。

公式によると、学科試験の内訳はこうなっています。

試験時間 120分
出題数   50問
  一般問題    30問程度
  配線図問題  20問程度

配線図の問題は20問ほどあります。ただし、その全部で複線図を書くわけではありません。図記号を読むもの、器具や材料を見分けるものが多くを占めます。

わたしの場合、実際に複線図を書いて解いたのは5〜6問でした。

50問中の5〜6問です。合格に必要なのは30問。仮にその全部を落としても、残りで届く計算になります。

なので、「CBTだと複線図が書けなくて落ちる」という話ではありません。そこは心配しなくていいと思います。

しんどいのは、フロアが分かれている問題です

実際に手が止まったのは、この形でした。

1階から3階まで、というように複数のフロアが出てくる問題です。図が大きくなり、線が交錯します。

そして、そこに問いが乗ってきます。

  • リングスリーブは何個使い、○の刻印は何個になるか
  • 差込形コネクタは、何本用のものが何個必要か

複線図を書いて終わりではなく、そこから「数える」ところまで行きます。

これが厄介なのは、図が曖昧だと選択肢が選べないことです。なんとなく分かっている、では答えが出ません。

その状態で、色が使えず、消せず、図は画面の向こうにある。CBTで身構えるべきなのは、この手の問題だけです。

だから、色を使わない書き方を用意しておく

わたしが複線図を書けるようになったきっかけは、色を固定したことでした。白と黒を決めて、残りは赤。それで判断が減って、手が止まらなくなりました。

その方法が、CBTではそのまま使えません。

ただ、色が何をしていたのかを分けて考えると、道は残っています。

色が何をしていたか代わりになるもの
書いている最中いま何を引いているかで迷わない順番を固定する
書き終わったあとどの線がどれか、後から分かるここは何か要る

書いている最中は、順番を固定すれば迷いません

色を使う目的は、そもそも判断を減らすことでした。だとすれば、工程を分けてしまえば同じことができます。

① 接地側だけを、全部引く    ← この間、ほかは考えない
② 非接地側だけを、全部引く  ← 同じく
③ 残ったところが、送り

1色でも、順番が決まっていれば手は止まりません。 ここは色の代わりが要らない部分です。

書き終わったあと、どう見分けるか

問題はここです。リングスリーブの数、刻印、コネクタの極数を数えるときに、どの線がどれか分からないと困ります。

考えられる方法を3つ挙げます。

見分けやすさ書く速さ技能でも使えるか
B・W・R の文字を書き込む読む手間がかかる速いそのまま使える
線の形を変える一目で分かるやや遅い技能では色に戻る
線の端に印をつけるまずまず速い技能では色に戻る

線の形を変える場合は、こんな形になります。

接地側(白)   ──∧∨∧──────
非接地側(黒) ────────────
送り(赤)     ─ ─ ─ ─ ─ ─

波線はなめらかに書くと、急いだときに直線と見分けがつかなくなります。角を尖らせてギザギザにすると潰れません。 全部をギザギザにすると遅くなるので、途中だけにする手もあります。

ひとつだけ、避けたほうがいいものがあります。斜線です。

単線図では、斜線が電線の本数を表す記号として使われています。同じ図の中で意味が2つになると、数えるときに間違えます。

正直に書いておくと、この3つは、わたしが実際にCBTで試した結果ではありません。 条件から考えて出した案です。どれが自分に合うかは、人によって違うと思います。

ただ、1つだけ言い切れることがあります。

本番で初めてやるのは無理です。 学科の練習をしている段階から、黒1色で書いておく。それだけは決めておいたほうがいいと思います。

本当に困るのは、学科ではありません

ここまで読んで、こう思った方がいるかもしれません。

「5〜6問なら、複線図は捨ててもいいのでは」

学科に受かるだけなら、そのとおりです。捨てても届きます。

そして、そこで詰みます。

技能試験では、複線図が書けないと手が動きません。工具の扱いでも、器具の取り付けでもなく、図が書けないと始まらないのです。わたしが技能でいちばん時間を使ったのは、そこでした。

学科で複線図を捨てると、技能に入ってからゼロで覚え直すことになります。 残り7週間や11週間しかない時期にです。

わたしが学科で複線図を捨てなかったのは、これが理由でした。「技能でも出る。ここは基礎になるはずだ」と考えたからです。いま振り返って、この判断だけは正しかったと思っています。

だから、CBTで色が使えないことは、面倒ではあっても損ではありません。 黒1色で書く練習は、そのまま技能につながります。

作った時間を、何に使うか

ここがいちばん大事なところです。

時間を作っても、使い道を決めていなければ意味がありません。

複線図は、読んで理解するものではなく、書いた回数で身につくものでした。だから時間が要ります。CBTで作った1か月を、そこに使ってください。

まとめ

  • 令和9年度から、学科は原則CBTに移行します。今年度が、筆記方式を選べる最後の年です
  • CBTは受ける日を自分で決められるので、早く受ければ技能の練習期間が約1か月増えます
  • 試験センター自身が、移行の理由に「技能試験へ向けて速やかに準備を開始できる」ことを挙げています
  • 学科は合格ラインを超えればよく、受かれば前回・前々回の分まで技能を受けられます
  • CBTでは黒ボールペン1本とA4メモ用紙。色は使えず、消せません
  • ただし複線図を書く問題は5〜6問ほど。学科の合否を左右するほどではありません
  • 捨てると技能で詰みます。黒1色で書く練習を、学科のうちに始めておいてください

日程と制度は年度で変わります。申込の前に、受験案内書で必ず確認してください。